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値引、割引、割戻・・・おまけに寄付金の違い

税理士のなかやまです。
8月になり、長かった梅雨もようやく明けました。
例年であれば夏本番と開放的な気分にもなりますが、今年はそうはいかないですね。
コロナの感染者も連日1,000人を超えていますので、皆様、どうぞお気をつけください。
ちなみに弊所は8月も交代勤務ではありますが、お休みはございません。
税理士・担当者不在の時もあるかと思いますが、何かございましたらお気軽にご連絡ください。

 

コロナ禍の影響で皆様のお客様からも売上代金の値引のお願いをされたことはありませんか?
少し前だと、緊急事態宣言に基づく自粛要請で、家賃の減免(免除)が話題になったかと思います。
(営業出来ないから家賃を下げてくれと言われたら大家さん側が困るわけで、その結果「家賃支援給付金」が出来たわけですが)

法人は営利企業ですから、単に売掛金を免除することは自己の利益追求と反しているので、
税務上経費にならず、寄付金となります。
会計上は経費と認められる売掛金の免除に、「値引」「割引」「割戻」の3つしかありません。

 

〇値引
会計上の「値引」とは商品やサービスの質に問題がある場合に、その代金を安くすることを言います。
具体的には不良品や破損品などですね。

 

〇割引
会計上の「割引とは支払期日以前にその代金の支払いがあった場合に利息相当額を値引く」と言うものです。
例えば、10/31支払期日の売掛金100万円を9/30に支払ってもらった場合、99万円でいいよと言うものです。
売主は99万を銀行等に預け入れることにより、10/1~10/31の利息が1万円つくので、
結果として10/31には100万円が手元にあるというものです(あくまで例なので金利はテキトウです・・・)。

 

〇割戻(わりもどし)
会計上の「割戻」とは商品やサービスの量が多い事を条件に、その代金を安くすることを言います。
リベートと言う事もあります。

 

上記のものを見てみると、「コロナで大変だから少しおまけしてあげるよ」と言うのはどれにも当てはまりませんね。
つまり、従来であればこの「おまけ」は「寄付金」とされていたのです。
ちなみに寄付金は、経費になる部分に限度があります。
この限度額の計算は資本金であったり、会社の利益であったりをイロイロ計算して求めます。

ちなみに寄付金となるものの代表例がお正月に神社で購入するお札などがあります。
「いや、これは1年間の商売繁盛を祈願しているから会社の経費だ!」
と言われても税務上は神頼みの寄付金扱いなので・・・(汗)

 

税務上、寄付金は会社の事業とは関係ないものと考えられていますので、
赤字企業や利益が少ない法人の場合は経費になる部分も少ないです・・・。

実際に我々が使う値引の概念と会計上の値引きが大きく違う事がお分かりいただけたかと思います。
時々見かけるのが、売上の請求忘れです。
実際の売上日から何か月も経ってしまったから今さら催促できない等で実務上「値引」にしている事があるかと思いますが、
税務署は請求書で判断しますので、実際の入金との差額を値引等ではなく寄付金と認定されることも多いですのでご注意ください。

それでは今回はこの辺で。