ホーム > 所得税 > 接待交際費、会議費、福利厚生費の違い

接待交際費、会議費、福利厚生費の違い

忘年会

ハイボール好きの税理士、なかやまです。

11月も後半、そろそろ忘年会の季節ですね!
得意先や取引先との飲み会も増える時期かと思います。

さて今回はいわゆる飲み会などの交際費関係について触れていきたいと思います。
皆様、実は接待交際費は原則は1円も経費にならないのをご存知でしょうか?
「え、そんなわけないでしょ。昔務めていた会社では経費になったよ」と言う方もいるかもしれません。


従来は資本金1億円以上の大企業は接待交際費は全て損金不算入(=経費にならない)でした。
しかし5,000円以下の飲食代は従来から会議費として経費処理が認められていました。
良い悪いは別にして、昔、飲み会の領収書を経理に落としてもらうために、何枚かに領収書を分けていた・・・そんな記憶ございませんか?

これに対し、資本金1億円未満の中小企業は年間800万円まで接待交際費が認められていました。

ところが平成26年度の税制改正により、大企業・中小企業どちらでも、接待交際費の50%まで損金参入できるようになりました。
中小企業で接待交際費が年800万超えることは中々ありませんが、年間1,600万円を超える場合は50%基準を選択した方が特になります。

ちなみにこの800万基準は法人のみの適用で、事業に関係するものと言う大前提はありますが、個人は接待交際費の上限はありません!


経理処理をする際に、お客様から「この支出は接待交際費、会議費、福利厚生費のどれに該当しますか?」と言う質問を受けることがあります。

大まかな区分としては、社内の忘年会など、参加者が内部のみで完結する場合は「福利厚生費」となり、
社外の人が参加する場合は「接待交際費」として処理します。

それでは会議費とは何なのか説明しますと、「1人当たり5,000円以下の飲食費」となります。
これは参加者が社内のみ、社外参加者ありは関係ありません。
場所については、あくまで「会議費」ですので居酒屋などは対象とはなりません。
但し、会議などに際しビール1杯位であれば認められます。
また、会議費はあくまで「飲食のみ」が対象ですので、5,000円以下の手土産なども対象とはならず、接待交際費になります。
ちなみに5,000円以下の基準ですが、税込経理していれば税込5,000円となります。


ちなみにお酒が入った後は当然電車やタクシーやでご帰宅するかと思いますが、
接待相手を送り届け出るためのタクシー代や、会社の社員が懇親会後にタクシーで帰る場合のタクシー代も
交際費となります。
(ここまで細かく確認する調査官に会ったことがありませんが、厳密には交際費になります)

逆に、招待される側が支払ったタクシー代や、会社の社員が懇親会後に業務先へ向かう場合のタクシー代は
交通費となります。


ちなみに税務上の接待交際費は皆様が考える交際費よりも範囲が広く、
「得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為
のために支出する費用」と定義されています。

例えば、「お客様に仕事を紹介してもらったので、紹介手数料を支払った」等も原則、接待交際費になります。
紹介手数料などの交際費の近接科目についてはまた別の機会にご説明いたします。


それではまた。

同カテゴリでよく読まれている記事