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年末調整

税理士のなかやまです。

年末調整が必要なお客様については、すでに年末調整関係の書類をお送りしていますので、社長を含め従業員様にお渡しの上、お早めに回収・事務所へ返送お願い致します。
年末調整後に源泉徴収票や源泉所得税の納付書をお送りしますが、こちらは会社・事業者単位で行います。
1人でも資料の提出が遅れたりすると会社自体の年末調整が進まなくなりますので、従業員様にも提出期限の周知徹底をお願い致します。

ちなみに皆様のお手元には3種類の用紙をお送りしています。
1 令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
2 令和元年分 給与所得者の配偶者控除等申告書
3 令和元年分 給与所得者等の保険料控除申告書

さてここで問題です。
なぜ1の扶養控除申告書だけ、令和2年分なのでしょうか?年末調整の書類だから全て令和元年でもよさそうですよね?
実は給与所得者の扶養控除等申告書は、「その年の最初の給与の支払いを受けるまでに会社へ提出しなければならない」となっています。
つまり、今回お送りした1の扶養控除申告書は来年の所得税の計算の為に使用するものなのです。
それでは令和元年分はと言いますと、こちらは昨年送付・回収したものを使用することになります(実務的には微妙なところですが・・・)。

ちなみに重要性でいえばダントツに1扶養控除申告書が大事です。
扶養控除申告書は副業をしている場合などであっても1か所にしか出せません。
そしてこの用紙を提出した会社でのみ、安い税率である「源泉所得税の甲欄」で税金の計算をします。
ちなみに副業先である会社には提出することが出来ませんので、そちらの会社では乙欄で計算します。
もっとも複数お仕事をしている場合は、年明けに確定申告をする必要があるので、乙欄で源泉徴収されたからと言って損するわけではありません。
あ、弊所には副業している方の分も含めて扶養控除申告書の提出お願いします。
そうしないと住所や生年月日がわからないので・・・(「副業」や「乙欄」とか書いてあると助かります!)

来年以降年の途中に新しく入社した場合はこの扶養控除申告書を渡して、記入後に回収お願い致します。
用紙がない場合はご連絡いただければ、お送りします(国税庁のHPからもダウンロード可能です)。
皆様の会社でしか仕事をしていない場合でも、この用紙の提出を忘れてしまうと乙欄対象となり、税務調査で指摘を受ける可能性がありますのでご注意ください。


さて早くもインフルエンザが猛威を振るっているようですが、皆様大丈夫でしょうか?
インフルエンザの予防接種の費用ですが、法人の場合は経費に落とすことが出来ます。
この場合、従業員はもちろん役員分も経費となります。逆に役員だけ対象だと、役員への給与となります。
この場合の給与は定期同額に該当しないので、役員賞与扱いとなり、法人の経費とはならないのに、
役員の収入には計上されてしまいます(業界用語でいう「往復ビンタ」というやつです。)
会社の規定で全員受診する事と記載があれば万全ですね(税務署は規定の有無を重視しますので)。

ちなみに個人事業主の場合は、残念ながら経費になりません。
ちなみに「予防接種」は医療費控除の対象にもなりません。
医療費控除の考え方は「治療行為に対する支払」なので予防接種は対象外なんですね。

また年末調整の資料返送時に医療費の領収書を同封されてくるケースがたまにありますが、医療費控除は確定申告でしか対応できませんので、こちらも予めご了承ください。

 

それでは今回はこのへんで。

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