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役員のみの人間ドックは経費なのか?

いよいよ来週末からGWですね。
弊所もカレンダー通りのお休みとなります。
まあ、連休があっても申告期限は変わらないので休めるかと言うと・・・(涙)
決算が近いお客様におかれましてはお早めに資料を頂けると助かります。


さて今回のテーマは前回メルマガで告知した「役員のみの人間ドックは経費として問題なのか?」です。

人間ドックに限らず、こういった役員のみが何か恩恵を受けるような論点は「経済的利益」が発生していたかどうかが争点となります。

〇経済的利益とは・・・
「法人が役員に支給する給与には、金銭によるもののほか、債務の免除による利益その他の経済的な利益も含まれます。
この経済的な利益とは、法人の行なった行為が実質的にその役員に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすものをいいます。」

簡単に言いますと例えば以下のようなものが該当します。
・会社から資産をもらった
・会社から資産を相場より安く買った
・会社から無利息または低利率でお金を借りた
・会社が役員にお金を貸していて、その貸付債権を放棄した
・法人所有の土地や建物を無償・低額で借りた
・役員を被保険者とした生命保険料にはいっていた

これら全てがすぐに経済的利益と判断されるわけではないですが、
そう判断される場合があると言うことを覚えておいて下さい。

特に最後の生命保険などは会社で加入しているケースも多いかと思います。
保険は議事録などをきちんと整備しておけば税務調査でも問題なく終わることも多いですが、
保険会社が議事録の作成までやってくれることはほぼありません。

ちなみに税務調査で「経済的利益」とみなされた場合、一体どうなるのかと言うと、
ズバリ「給与」になります。

税務調査で否認された場合ですが、
①役員に対するものであれば「役員賞与」となるので、経費にならない・・・法人税が増える
②役員側は給与扱いにされるので、所得税・住民税が増える
③給与なので源泉徴収の対象となる・・・源泉徴収してない事へのペナルティー

専門用語では「認定賞与」と言い、最低でもペナルティーは上記3つ、
場合によっては消費税も増えるという恐ろしいものになります。
法人の調査なのに所得税も取られることから「往復ビンタ」と言ったり、
3つのペナルティーを課せられることから「トリプルパンチ」と言ったりします。

もちろん本税の増加だけでなく、加算税・延滞税もかかってきます。
役員に対しての場合、「認定賞与」とされる可能性も高く、
その場合の加算税は通常の過少申告加算税10%ではなく、重加算税35%となり、
延滞税は通常であれば最大1年分ですが、重課対象の延滞税は複数年分課税されます。

この経済的利益ですが、税務調査では主に役員に対して経済的利益があったかどうかが問題となりますが、
従業員に対しても問題となることがあります。
その場合、本来は従業員が負担しなければなりませんが、
福利厚生が否認された場合など、本人に負担させることが難しい場合は会社及び社長がその額を負担することになります。


こういったことを防ぐにはどうすれば良いのか?
①役員のみならず全従業員が同じように機会を与えられる事(役職などにより差をつけることはOKです)
②常識的に考えてあまり高額でない事

この辺りをきちんと守っていれば大きな問題になる事はありません。

それでは今回はこの辺で。