おはようございます。
税理士のなかやまです。
今年もあと1か月、皆様、やり残しはありませんか?
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・。
まだ年末調整残ってます!やり残さないようにご注意ください(早めに送ってくださいね)。
さてインボイスが始まって2か月たちましたが、皆さんいかがでしょうか。
手間しかかからない、この経理担当者泣かせの制度ですが、
始まってしまったからにはそれに対応するしかありません。
弊所にもいろいろなお問い合わせがありますが、いくつか事例を紹介します。
Q1
得意先からもらった領収書・請求書にインボイス番号がなかった。
複数の書類や国税庁インボイス番号公表サイトなどで、
インボイスの登録事業者であることはわかっている。
この場合、どうすればよいか?
A1
インボイスの記載事項としてかけている部分を追記して、これを得意先に確認する事により
インボイスの要件を満たすものと出来る。
国税庁インボイスQ&A問92より。
つまり、勝手に書くのはNGですが、先方の確認があればOKです。
Q2
ヤフオク・メルカリなどで個人から仕入たものはインボイスの古物商特例になるか?
A2
古物商特例ですが、インボイス発行事業者以外から購入した、棚卸資産が対象です。
※棚卸資産とは、販売目的の資産です。
ヤフオク・メルカリの出品者が匿名の場合、インボイス発行事業者か否かの
確認が出来ないので古物商特例の適用は出来ません。
Q3
値引・返品があった場合はどうすればよいですか?
A3
返還インボイスの作成が必要となります。
例えば皆さんの会社が100万円で売上の請求書を発行しましたが、
いろいろあって90万に値引きする事にしました。
その場合、10万円の値引き相当の「返還インボイス」を作成・交付しないと、
皆さんの会社は10万円のインボイス無し領収書をもらった事になります。
(具体例)
当初の売上の請求書 110万(税抜100万+消費税10万)
値引後の金額 99万(税抜90万+消費税9万)
値引額 11万(税抜10万+1万)なのですが、
返還インボイスを作成しないと、11万のうち経費になるのは108,000円となります。
(消費税1万の80%しか経費にならない)
弊所でも売掛金の請求が遅れたとか、トラブルで値引く事になったなどはよく聞きますが、
口頭で「それは値引で処理お願いします」は今後は通用しなくなりますのでご注意ください。
(事務所とのやり取りは口頭でも良いですが、
社内的には返還請求書の作成をお願いします)
Q4
領収書に会社名・事業者名が書いてないが、大丈夫か?
A4
原則、大丈夫ではありません。
必ず会社名・事業者名を書いてもらってください。
但し、簡易インボイスの場合は不要です。
簡易インボイスとは、小売業・飲食店・ホテル・タクシー・駐車場などが該当しますが、
簡単に言ってしまえば、不特定多数を対象としているお店からのレシートに
会社名が書いてなくても問題ないと言う事です。
そもそもですが、現在はレシートで領収書の代わりになりますので、
わざわざ上記の様なお店で領収書をもらう必要はありません。
実際、弊所の税務調査事例で、通常の現金仕入先などでの購入はレシートなのに、
ホームセンターやコンビニ、ドラッグストアで購入した資料のみ
いつも領収書になっていて指摘されたことがあります。
結論としては、社長の個人的経費をだったので、
認定賞与、消費税否認、源泉徴収漏れのトリプルパンチとなりました。
(認定賞与は重加算税対象です)
ホームセンターやドラッグストアは何でも売ってますので、
そういう領収書がアヤシイ事は税務署も百も承知です。
日時・金額で反面調査されたら一発でバレますので。。。
まれに領収書の明細部分を切ってくるお客様がおります。
中身を見られたくないのか知りませんが、
「〇〇会社との会議用お茶」と裏書してあるのに、消費税10%とか・・・。
インボイスの開始により、「内容のわかる」領収書の保存が重要です。
切った方にインボイスが書いてあったら、消費税分も損してしまいます。
基本的に消費税は赤字でも納税が発生する事が多いです。
今後は消費税の調査も厳しくなることが予想されますので、皆様ご注意を下さい。
それでは今回はこのへんで。