あけましておめでとうございます。
税理士のなかやまです。
いよいよ2020年、オリンピックイヤーの始まりですね。
12月からの年末調整もいよいよ佳境、今週から順次納付書や資料のご返送を致します。
毎月納付のお客様は1/10(金)までに、半年毎納付のお客様は1/20(月)までに納付お願い致します。
年末調整の結果納付がない場合もありますので、詳細は弊所から届いた資料をご確認ください。
年末調整の時期に配られる「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、会社が来年の源泉徴収をいくらにするのかを決めるための用紙です。税務調査では必ず年末調整の書類を確認されます。提出しないと源泉所得税の税額が大幅に変わりますので、従業員を雇用した場合は必ず「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を記載・提出してもらうようにしてください。
※用紙がない場合は下記国税庁HPよりダウンロードしてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm
さて上記の書類の中に、「源泉控除対象配偶者」「同一生計配偶者」と、あまり聞きなれない単語が出てきます。1つずつ見てみましょう。
◆源泉控除対象配偶者とは
源泉控除対象配偶者は、その名の通り「源泉控除されるべき配偶者」です。
控除を受ける本人の令和2年中の所得の見積額が900万円以下であること、配偶者の令和2年中の所得の見積額が48万円以下で、配偶者控除が適用になるか、見積額が95万円以下で、配偶者特別控除額が最高額である人が対象です。
この説明で、経理のご担当者様などは「あれっ?」と思ったかもしれません。
令和元年までであれば配偶者控除の場合は所得の見積額は38万円以下、配偶者特別控除が最高額である人の所得の見積額は85万円というのがボーダーラインでしたが、令和2年からの税制では、基礎控除が基本的には10万円上がり、給与所得控除が基本的には10万円下がるため、配偶者控除等の判定に利用する「所得額」も10万円引き上げて考えるようになりました。
◆同一生計配偶者とは
同一生計配偶者は、控除を受ける本人の所得は問わず、配偶者の令和2年の所得の見積額が48万円以下の人です。
本人の所得が多く、配偶者控除が受けられない場合、「源泉控除対象配偶者」のカウントには入らないのですが、所得の少ない配偶者分の障害者控除は受けるため、この区分が必要となります。
◆令和2年の年末調整はさらにややこしくなる?!
先に触れたように、令和2年から基礎控除や給与所得控除・年金所得控除の改正が適用されます。
所得が2,400万円を超えると基礎控除は減ってゆきますし、給与収入は850万円を超えると基礎控除の上昇を加味しても、令和元年の水準より下がります。
また所得の種類や「子育て・介護」等の条件付けによって額面が変動するようになるため、来年の年末調整の用紙はもう1枚追加となるようです。数年前まで年末調整の書類は2種類だけでしたが、来年はその倍の4枚になりそうです。
さて令和元年を振り返ると、最近は消費税の税務調査が大幅に増えています。
国税庁の11月の発表では30年度までですが、3年で約5,000件増加したそうです。30年度ですが、税務調査による追徴税額は800億円で過去最高だそうです。令和元年10月に消費税増税となりましたので、今後は消費税については今まで以上に注意が必要ですね。
ちなみに消費税の税務調査では「虚偽の申告によって不正に消費税の還付金を受けるケースが見受けられる」(国税庁)として、還付申告法人を重点的な対象としています。還付申告法人に対する30年度の実地調査は6553件で、このうち申告漏れや不正が発覚したのは56.2%の3687件。調査による追徴税額は175億円に上りました。
消費税は売上にかかる消費税から仕入・経費にかかる消費税を引くのが原則的な計算方法です。輸出業でないのに還付申告になると言う事は、売上より仕入・経費が多いという事になりますので、その経費が適正かより細かく確認されるという事になりますね。
事業を営む上で税務調査は避けて通れないものですが、いざ税務調査となっても慌てないように日頃からきちんとした処理をしていきたいと思います。
本年も職員一同どうぞ宜しくお願い致します。