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紙保存不要?電子帳簿保存法って何?罰則規定あり・・・。

おはようございます、事務所にスキャナーが5台ほどあるPDF税理士のなかやまです。

 

来年早々の202211日より電子帳簿保存法が改正されます。

実際の内容はものすごく複雑なので、内容をものすごく端折ってわかりやすく説明します。

なので改正前の事についてはほとんど触れません・・・。

多くの方に影響があると思われる改正で、しかも罰則もあるのでぜひ最後まで御一読ください。

 

そもそも電子帳簿保存法ですが、簡単に言うとPDF等で保存できる(=紙資料破棄OK!)

と言うものですが、実際はそう簡単にはいきません。

 

まず、電子帳簿法の対象となる帳簿は下記です。

1 決算書・総勘定元帳など(いわゆる弊所で作成する帳簿)

2 会社が発行する請求書・領収書

3 会社が受け取る請求書・領収書

 

それぞれを電子帳簿、つまり紙で保管しなくてもよくなるやり方ですが・・・

 

1の決算書、総勘定元帳について

電子帳簿保存法対応の会計ソフトを会社で導入してもらう(&設定も必要)。

会社で会計ソフトを導入するので、当然ながら費用がかかります。

つまり、弊所に請求書・領収書等をお送り頂いている方は、

そもそも会社に会計ソフトがないため対象外となり、残念ながら決算書等は紙保存のままとなります。

 

2の会社が発行する請求書・領収書について

これらをPDF保存するには、発行時にタイムスタンプを付与する必要があります。

 タイムスタンプはお金がかかります。

 月額定額で数万や基本料+従量課金などありますが、いずれにしてもそれなりのコストがかかります。

タイムスタンプを押さない場合は、クラウドで請求書の発行システムを利用するなどの

方法もありますが、いずれにせよコストがかかります。

この2の自社が発行する資料を電子データで保管すると言うのが電子帳簿3つのうち、一番ハードルが高い気がします。

 

3の会社が受け取る請求書・領収書について

こちらも2と同様にタイムスタンプが必要です。

流れとしては、紙で受け取った請求書・領収書をスキャンして、それにタイムスタンプを付与します。

有料でタイムスタンプを1つ1つに付与するのは現実的ではありません。

実務的にはタイムスタンプ付与機能付きの会計ソフトの導入し、そこにアップロードする方法になります。

TVCMなどで、スマホで写真カシャ!で会計ソフトへ連動!と言うものがそれになります。

 

ここまでは、紙の資料が邪魔でPDF等にしたいという会社のみが関係する話です。

つまり紙のまま保存するのであれば、全く関係ないことになります。

 

最後にお伝えするのは、これとは全く異なり、多くの方(法人・個人事業主)に関係する事です。

皆さんが日々会社・お店等を運営するにあたって、請求書や領収書を、

「最初からデータでやり取りする」事ってよくありますよね?

 

例えば、取引先から請求書や領収書をメールで受け取る場合や、

アマゾン・楽天などのオンラインショッピングをした際に

請求書・領収書をダウンロードするケースですが、今後はこれらのデータ保存に規制が入ります。

 

どんな規制が入るのかと言うと、今まではそれらの請求書や領収書を印刷して紙保存すればよかったのですが、

来年11日以降は電子データで保存しなければならなくなります。

(紙で印刷しても良いのですが、税法上、電子データでの保存が必須です)

 

電子データで保存と言っても、

PDFで受け取ったものをそのまま保存すればよいわけではなく、保存には下記の1~4の「いずれか」を満たす必要があります。

 

1 請求書・領収書の発行元がタイムスタンプを付与してある

  よほどの大企業なら別ですが、取引先企業がタイムスタンプを付与した請求書・領収書をメールで送ってくれるとは思えません。

  アマゾンとかはどうなるのかな?事業主以外も利用するから期待薄だと思います。

  つまりこの1の方法が現実的には難しいと思います。

 

2 受け取り側(皆様)がタイムスタンプを付与する。

  これは皆さんがタイムスタンプを付与しますが、当然お金がかかります。

  しかもタイムスタンプは受取から約2か月以内にしなければなりません。

 

3 訂正履歴がわかる又は改ざん不可なシステムを導入する。

  実際にはクラウド系システムになりますが、これもコストがかかります。

  タイムスタンプよりハードルは高い気がします。

 

4 訂正削除防止に関する事務処理規定を作成する。

  ノーコスト!しかも国税庁にワードでひな型あります(法人・個人)

  https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm

  現実的には中小企業はコレ1択だと思います。

  但し、それでもちょっと面倒です。

  なぜなら検索可能な状態で保存することが要件だからです。

  例えば、202211日に、中山商店で1万円の買い物をした領収書を

  メールで受取やHPからダウンロードした場合、それを印刷して保存するのはダメです。

  (印刷しても良いのですが、税法上は意味がない)

  それではどうすればよいのかと言えば、

  「20220101中山商店10000.pdf」と言うような形式で保存することが求められます。

  ※検索必須項目は、日付・相手先・金額です。

 

これをパソコンの特定のフォルダに入れておけば、「日付・取引先名・金額」で検索できますよね?

 

または「1請求書pdf」「2請求書pdf」・・・の様な形式でも構いませんが、

その場合はエクセルなどで、検索簿を別に作成しなければなりません。

※上記の国税庁に検索簿のひな型があります。

 

ちなみに消費税の免税事業者は検索までは求められていませんが、

いずれインボイスで免税事業者がほぼなくなる事を考えると、全ての事業者に影響が出ると言っても過言ではありません。

 

一応おすすめ順位としては、4>>>>>2=3>1です。

 

はい、とっても面倒ですね!(汗)

ちなみにこれをやらなかった場合の罰則規定ですが、条文そのままだと、青色申告取り消し要件に当てはまります・・・。

 

電子データで受取の領収書・請求書等が電子帳簿保存法の要件を満たしていなかったら

絶対に青色申告取り消しになるかと言えば、そうはならないと思いますが、

いずれにせよあと2か月程度で法律改正となりますので、対応を取らないわけにはいきません。

皆様ご注意ください。

 

それでは今回はこのへんで。