青色申告のメリットは?

青色申告のメリットとは?白色申告との違いや節税効果をわかりやすく解説

目次

 

青色申告とは?

青色申告とは、事業所得や不動産所得のある個人事業主やフリーランスが選択できる申告制度で、

税制上の特典が多く設けられているのが特徴です。
ただし、これらの特典を受けるには複式簿記による帳簿の作成や、事前の申請が必要です。

 

青色申告の主なメリット

青色申告には、白色申告にはない節税メリットが多く存在します。

以下に代表的な4つをご紹介します。

1. 青色申告特別控除(最大65万円)

青色申告をすることで、最大65万円の所得控除が適用されます。
所得が高い方ほど節税効果が高く、最低でも所得税・住民税あわせて約97,500円の節税が可能です(所得税5%、住民税10%で計算)。
国民健康保険料も減額されるケースがあります。

なお、控除額は帳簿の付け方や提出方法によって、10万円に減額されることもあります。

65万円控除を受けるには、複式簿記での記帳+e-Taxまたは電子帳簿保存が条件です。

2. 青色事業専従者給与の適用

青色申告者は、事前に税務署へ届出をすれば、家族に支払った給与を経費として計上することができます。
白色申告では家族への給与は経費として認められないため、この制度は大きな節税につながります。

3. 少額減価償却資産の特例

白色申告では10万円以上の固定資産は減価償却が必要ですが、青色申告では30万円未満の資産であれば一括で経費計上が可能です。
例えばパソコンやスマートフォンなどの備品を購入した場合、購入年に全額を経費にできます。

4. 純損失の繰越控除(最大3年間)

青色申告をしていれば、赤字になった場合でもその損失を翌年以降最大3年間繰り越して相殺することができます。
起業初年度に赤字となっても、翌年黒字になれば税金をゼロに抑えることが可能です。

 

青色申告を行うための条件

青色申告のメリットを受けるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 「所得税の青色申告承認申請書」を税務署へ提出
  • 複式簿記で帳簿を作成し、記録・保存
  • 確定申告書を期限内に提出
  • 会計ソフトまたは専門家の利用で記帳作業を効率化

まとめ:青色申告で賢く節税しよう

青色申告は手間がかかる一方で、以下のような大きなメリットがあります。

  • 最大65万円の特別控除
  • 家族への給与を経費にできる
  • 高額備品の一括経費処理
  • 赤字の繰越で翌年以降も節税可能

会計ソフトの導入や、税理士などの専門家のサポートを活用すれば、初心者でも青色申告のハードルは下がります。
節税を目指すなら、青色申告をぜひ検討してみましょう。

 

代表税理士中山隆太郎【監修者情報】
中山 隆太郎(税理士)
中山隆太郎税理士事務所 代表。
会社設立や開業支援を専門に、税務調査対応や経営サポートも好評。
著書『オーナー社長のための税務調査完全対応マニュアル』。