売上は入金した時でも請求書を発行した時でもありません。
答えは、商品販売業であれば「商品をお客様に渡したとき」で、
それ以外の業種は「役務(サービス)の提供が完了した時」です。
入金日や請求書の発行日で売上が調整で来たら、同じ内容のもので売上の計上日がまちまちになってしまいますよね。
つまり売上は年内に確定しているものは必ず売掛金として計上し、同様に仕入についても買掛金で計上します。
また、経費も年内に支払いの確定しているものはその年の経費として処理できます。
実際に売上となることが年内には確定しているが、実際にお金をもらうのは年明け以降になるケースはよくあります。
このような場合は「売掛金」として事前に売上処理しておくことが必要になります。
売上が増える分税金の支払額は増えることになりますが、
原則として売上が確定しているものは計上する決まりになっていますので気をつけましょう。
仕入についても同様に「買掛金」で計上しておきます。
また、経費についても締め日と支払日の間に時間があるものは多数あります。
通常、経常的に発生する電話代や光熱費などの支払をはじめ、給料などの事業主側で締めと支払をコントロールしているものもあるでしょう。
このような年内に支払うべき事実が決定しているが、
年末段階ではまだ支払っていないというものについては「未払金」勘定を利用して経費として計上することができます。
これらはいつか経費として計上することになるものなので、いつ計上しても支払うべき経費の金額は変わりません。
だったらそんなことをしなくても良さそうですが、状況によっては先に計上した方が有利になります。
少しでも早く経費を計上する方法が効果を発揮するのは「売上が大きく伸びた年」です。
売上が大きく伸びた年にはそれまでと比べ、多額の税金が発生することが予測されます。
それに対して少しでも先に経費を入れて一時に支払う税金を減らすことで、翌年に使えるお金が増えることになります。
事業によっては少しでも資金に余裕があった方が仕入を多くできるなど、有利に事を運べるものもあります。
そうでなくても税金を先に支払うよりは手元にお金を残しておいた方が
いつでも好きなことに使えるため、有事に備えることができます。
一度上記のような処理をした場合、翌年以降は継続して同様の処理をしていく必要がありますが、
それだけの価値がある方法であると言えるでしょう。