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棚卸とは一体何をすればよいのでしょうか?

棚卸とは一年間の正しい「売上原価」を計算するために行う商品などの在庫確認作業です。

たまに街中のお店でも「本日は棚卸の為〇時に閉店します」などの張り紙を見ることがありますね。

棚卸を行う際にはすべての年度末現在の在庫を手作業で商品ごとにひとつひとつ数量を確認することになります。

これを「実地棚卸」といいます。

棚卸という言葉からは「実際に店舗内の商品在庫を確認する作業」が連想されやすいですが、

実際には棚卸資産に該当するものが商品だけとは限りません。

例えば商品を扱っていない建設工事業などでは、まだ完成していない工事のために支払った外注費などのうち

「すでに支払いが確定している、または支払いが済んでいる仕入や外注費のうち、まだ売上につながっていないもの」

がすべて棚卸資産(=未成工事支出金)に該当することになります。

上記の建設業などのモノを計算するわけではなく、数字上で計算する場合を「帳簿棚卸」と言います。


数量が確定したら今度はその商品の単価を計算します。

単価計算の方法はいくつかありますが、原則としては最終仕入原価法が適用されます。

この方法は、同じに商品について仕入れたタイミングによって単価が違う場合でも、

最後に仕入れたときの単価を棚卸金額として適用する方法です。

特に単価について複雑な計算をすることなく、最後に仕入れた単価だけをチェックすれば済むため作業が簡単ですが、

年内に仕入の単価が大きく上昇した場合には、他の単価計算方法が有利になる場合があります。

 

しかし、単価計算方法を変更する場合はその年の3月15日までに税務署に届出を提出しなければならないため、

一年経ってみたら仕入単価が上昇していたので最終仕入原価法をとりやめて別の評価方法を使う、ということはできません。

そして商品の数量と単価が決定したら最後に合計金額を算出し、年末の棚卸の合計額とします。

これによって売上原価が確定し、正しい利益が計算できるようになるのです。

 

個人事業の棚卸はその年の最終営業日に行う事が原則なので、忘れてしまうと正しい棚卸が出来なくなってしまいます。

事前にきちんと準備をして忘れないようにしましょう。

 

また棚卸の方法は税務署に事前に届出をすることにより、上記とは別の方法で計算することも可能です。

業種により別な棚卸方法の方が簡便な場合もありますので、是非税理士に相談してみてください。