金額の大きいもの、具体的には30万円以上のものを購入した場合は、「資産計上」した後、毎年「減価償却」をしていきます。
「資産計上」として「減価償却」する。
少し簿記的な専門用語が出てきたので、内容を簡単に説明します。
資産計上
「資産計上」でいう「資産」とは、現金や預金と同様にその時点で価値のあるもののことを言います。
例えば売掛金なども資産です。
売掛金はものを売り上げたと同時に「売上代金をもらう権利」が発生したことになり、
現金と同等の価値のあるもの、つまり資産が発生したことになります。
他にも店舗や営業に関する保証金なども差し入れた時に経費として計上しがちですが、
保証金は一定期間や契約の終了時に返還されることが約束されているものが大半です。
そのため、契約に合わせて支払った金額を保証金として資産計上することになります。
減価償却
例えば建物を買った場合、その購入した建物を資産計上します。
買った段階ではまだお金が建物という資産に姿を変えたことにしかなりません。
しかし、建物は時間がたてば壊れたり老朽化したり、価値が減少していくことになります。
その場合に、その減少した価値に相当する部分が「減価償却費」として経費になり、資産の価値を減少させていくのです。
このような処理をすることで、期間に関わる損益をきちんと把握できるようになります。
減価償却の方法は購入した資産により償却年数が細かく定められていますので、通常は税理士がその計算を行います。
もし建物を購入した時に一括して経費計上したとすると、黒字の年度でも年末に建物を買っただけで業績が一転して赤字に転落します。
本来ならその建物は長年にわたって利用することになるので、
買った後その期間に応じて経費を計算していった方が毎年の業績も正しく把握出来ることになります。
しかし、それは逆に、前述のように年末に大きな買い物をして業績を赤字にし、
税金をゼロにするという節税方法はとれない、ということでもあります。
弊所でもお客様から「今年は利益が出そうだから車を買おうと思うんだけど・・・」と節税の相談を受けることがあります。
残念ながら支出額=経費とはならない為、思ったほどの節税効果が出ない事がほとんどです。
ちなみに現金一括で購入した場合とローンを組んだ場合でも、それは支払方法が異なるだけで、
経費となる減価償却の金額には一切影響がありません。
よって年末に大きな買い物をして税金を回避する方法は基本的には出来ないという事を覚えておき、
実際に大きな買い物をする場合は必ず税理士に確認するようにしましょう。