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若年層の離職率低下に向けて

 就職してから3年以内に最初に勤めた会社を辞めてしまう割合が、中卒で7割・高卒で5割・大卒で3割である「七・五・三問題」という言葉に象徴されるように若者の早期離職が問題になっています。

 特に地方における若者の離職は、企業そのものの発展に支障をきたすだけでなく、行政主導による地域への企業誘致の取組みに影響を与えるとともに、都市部に新しい職場を求めるなどの動きによって地域外への人口流出へとつながります。

 厚生労働省では、新規学卒者の離職状況を公表しています。

これは、事業所からハローワークに対して、雇用保険の加入届が提出された新規被保険者資格取得者の生年月日、資格取得加入日等の情報から学歴ごとに新規学校卒業者と推定される就職者数を算出し、更にその離職日から離職者数・離職率を算出したものです。

 このデータに基づいて、大卒の新規学卒者で就職後3年以内に仕事を辞めた人の割合の推移をみると、1995年(平成7年)3月卒業者のときに32.0%と3割を超えて以降は、3割を下回った年は2009年(平成21年)3月卒業者のときの1度しかなく、2012年(平成24年)3月卒業者の割合は32.3%と高い水準を示しています。

 2012年3月大卒新卒者の離職率を事業所規模別にみると、事業所規模1,000人以上の離職率が22.8%であるのに対し、5人未満では59.6%と、事業所規模が小さいほど離職率が高くなっています。

 2015年9月に「青少年の雇用の促進等に関する法律」が成立し、同年10月から順次施行されることとなりました。同法は、青少年の雇用の促進などを図り、能力を有効に発揮できる環境を整備するため、青少年への適切な職業選択の支援に関する措置や、職業能力の開発・向上に関する措置などを総合的に行うことを狙いとしています。

 同法の成立に伴い、適切な職業選択のための取組みの促進の一環として、事業主が就労実態等に関する職場情報を応募者に提供する制度が2016年3月1日から開始されています。

 これは新卒者の募集を行う企業に対し、企業規模を問わず、幅広い情報提供を努力義務とし、応募者等からの求めがあった場合に、以下の3類型ごとに1つ以上の情報提供を義務付けるものです。

 1つ目は、「募集・採用に関する状況」です。

過去3年間の新卒採用者数・離職者数、平均勤続年数などといった内容がこれにあたります。

2つ目は、「企業における雇用管理に関する状況」です。前年度の月平均所定外労働時間の実績や前年度の有給休暇の平均取得日数などがこれにあたります。

3つ目は、「職業能力の開発・向上に関する状況」です。研修や自己啓発支援の有無及び内容などがこれにあたります。

 こうした制度の開始によって、新規学校卒業段階でのミスマッチによる早期離職を解消することが期待されています。

参考:(株)税務研究会 税研情報センター

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