近年、ゲーム業界の新たな動きとして、「eスポーツ」が注目を集めています。
これは、テニスやサッカーなどのスポーツのように、ゲームの試合を観戦するイベントです。
ゴルフと同様、選手(ゲームプレーヤー)は賞金をかけて戦い、観客がその姿を観戦するという形になります。
最近では、優勝者は数百万円もの賞金を手にするような大会が開かれるようになりました。
なかには、賞金総額が5,000万円と大きな金額が打ち出されたものもあります。
そうなると、ゲームの世界からも、ゴルフやテニス、野球などと同じように、プロのゲーマーが誕生することになります。
現在、ゲーム大会の様子は、ニコニコ動画などの動画配信サイトで生中継されており、家で試合を楽しむのが主流です。
今後は、スポーツのように競技会場に人々が集まり、ライブで対戦の試合を観る機会が増えると考えられます。
すでに、秋葉原には、「eスポーツスクウェア」という、専用の施設ができており、大会を開催するプラットフォームは整いつつあります。
そして、試合会場に足を運ぶ人が増えることで、将来的にはゲーム会社はもとより、会場施設運営会社やグッズメーカー、飲食業、広告代理店など、幅広い範囲の企業が新たなビジネスチャンスをつかむことになります。
アメリカでは、すでにeスポーツは盛んになっており、2014年、全米でeスポーツは231億5,400万円もの収益があったといいます
。2017年には約555億円にまで成長する見込みがあるとも言われています。
今後、日本で、eスポーツがさらに普及すれば、新市場が誕生することになります。
近年、ゲーム業界では、スマートフォンを利用したゲームが主流になりつつあります。
その影響で、既存のゲームには陰りがみられるようになりました。
なかでも、アミューズメント(ゲームセンター)のような、人々が足を運びゲームを楽しむ施設は苦境に立たされています。
そのなか、eスポーツはこうした衰退産業からの脱却にも寄与する可能性があります。
もともと、ゲーム大会というと、アミューズメント(ゲームセンター)で開催され、そこに設置される格闘ゲームが主流でした。
大会では、「ストリートファイター」など、格闘ゲームを一対一で選手が戦い勝敗を決めます。
なかでもうまいプレーヤーの試合には、画面の後ろに観客が立ち並び、観戦する形が小規模ながらできあがっていました。
アミューズメントには、eスポーツに適した土壌があります。
現在、ゲームはスマートフォンが主流になっております。
ただ、スマホや家庭用の機器で遊ぶゲームは、とかく人とのかかわりが薄れてしまいます。
人間の心理としては、根底にリアルの世界で他者との関係を持ちたいという欲求があります。
オンラインゲームや家庭でのゲーム機では、リアルな人との触れ合いは生じません。
こうした層が、ゲームを通してリアルに他者と交流ができる場がeスポーツであり、盛んになれば、利用施設としてアミューズメント(ゲームセンター)がミニ大会の施設として重宝されるようになります。
eスポーツには、衰退産業であるアミューズメント(ゲームセンター)がeスポーツを通して、変わることができるのか、これも一つの注目点としてあります。
参考(株)税務研究会 税研情報センター