おはようございます、税理士のなかやまです。
さて本日から5月になりました。
今日から弊所もクールビズでの対応とさせて頂きます。
昨年末から議論されていた「〇〇の壁」ですが、所得税、住民税、社会保険とそれぞれに
壁があるため、混同している方が多くいらっしゃいます。
さて今回は所得税の最新情報をお伝えします。
もともと年収103万までは税金もかからず、扶養の枠内に収まると言うのは
よく知られた事かと思いますが、この103万まで税金がかからない理由は
基礎控除48万+給与所得控除55万=103万 だったからです。
基礎控除と言うのは原則、全ての方が受けられる控除です。
「原則」と書いたのは年収が高いと基礎控除すらなくなってしまうからです。
いくらから基礎控除がなくなるかと言うと所得2,500万です。
この「所得」と言うのも税法独特の言い回しなので、
具体的給与収入の方の場合、2,695万を超える場合、基礎控除がなくなります。
給与所得控除と言うのは、給与から一律引かれる控除の事であり、
給与収入により控除額は変わりますが、その最低額は55万円でした。
つまり給与収入が103万の場合、まず給与所得控除55万が引かれるので、
所得は48万になります。
その48万から最低でも基礎控除48万があるので、
税金のかかる「課税所得」はゼロになるのです。
この基礎控除48万、給与所得控除の下限55万が昨年末の税制大綱で
それぞれ10万ずつアップの基礎控除58万、給与所得控除65万になったのです。
その為、103万の壁は123万の壁になったのですが、
その後も予算審議で3月までずれ込んで、さらなる基礎控除の上乗せがされることになりました。
具体的には以下のとおりです。
・年収200万まで・・・ずっと基礎控除37万加算(123万+37万で160万まで所得税ゼロ!)
・年収475万まで・・・2年間限定で基礎控除30万加算
・年収665万まで・・・2年間限定で基礎控除10万加算
・年収850万まで・・・2年間限定で基礎控除5万加算
2年間限定ですが、この2年間は2025年と2026年です。
各種控除が上がったのは減税に繋がりますが、社会保険の130万の壁がそのままなので
もともと103万で調整していた方にとっては微妙な上乗せとなりましたね。
省庁が異なるので難しいのかもしれませんが、税・社保一体で考えてもらいたいものです。
それでは今回はこのへんで。