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令和元年の確定申告の注意点

皆様、今年はインフルエンザや花粉症に加え、新型コロナウイルスも猛威を振るっているようですが、体調にお変わりはないでしょうか?

弊所としましては、いよいよ個人の所得税確定申告が本日217日(月)から始まりました。

 

というわけで今回は確定申告の注意点をご案内します。

令和元年の改正は小粒でしたので、ほとんどの方は従前どおりのポイントをご注意いただければ大丈夫です。

 

〇所得税の確定申告は217日から315日まで(令和元年分は土日の関係で316日(月)まで)です。この期限を過ぎると以下のようなデメリットがあります。

・期限後申告となり、無申告加算税・延滞税がかかる可能性がある。

 ちなみに無申告加算税は納税額50万円までは15%、50万円超の部分は20%となります。但し税務調査の前に自主的に期限後申告した場合は5%に軽減されます。

・事業所得や不動産所得で65万控除が受けられない。

 個人事業をしている場合や一定規模の不動産所得は会計ソフトで処理し貸借対照表を添付することにより65万円の青色申告特別控除を受けることが出来ますが、期限後申告の場合はその青色申告特別控除が10万円になってしまいます。

 

 

 さてその他に確定申告で誤りやすい事例をご紹介します。

〇奥様や家族等、同一生計の親族へ支払う給与を経費としている。

⇒まず、大前提ですが、同一生計親族へ支払う給与等は経費となりません(所得税法56条)。

但し、一定の規定があり経費とする事ができます。

青色申告者 届出の範囲内かつ従事できる期間の1/2を超える期間を専従する必要があります。

白色申告者 その年を通じて6か月を超える期間。事業に専従している必要があります。

また給与額(専従者控除額)は以下のいずれか低い金額です。

1 50万円(配偶者は86万)

2 専従者控除前の所得金額÷(専従者数+1

 

〇住宅ローンの返済期間が繰上げ返済等により10年未満になった場合にも、住宅ローン控除が出来ると考えている。

⇒ローン期間が当初10年以上であっても、その後繰り上げ返済等により10年未満となった場合は、繰り上げ返済等した年から住宅借入金特別控除(ローン控除)は適用できません。

現在は借入金利が安いので、借入利息が1%以下であればローン控除を受けた方が得ですね。

 

〇保険の満期による収入を申告していない。

⇒保険の満期はそれまでの掛金により税額が出るかどうか変わります。支払調書が保険会社から税務署へ提出されていますので、申告必要の有無を必ずご確認ください。

 

20万円以下の雑所得を申告していない。

20万円以下の雑所得を申告しなくて良い方は、給与所得者で確定申告をしない方(年末調整で完結してしまう方)のみです。元々確定申告が必要な場合は20万円以下の雑所得

も申告が必要となるのでご注意ください(特にふるさと納税6か所以上している方はワンストップ特例が使えないので確定申告必須です)。

 

〇親や配偶者所有の土地を駐車場として、所有者(親・配偶者)以外の名義で契約し、契約者の収入として申告している。

⇒土地の所有者以外の者が単に土地のみを貸し付けている所得は土地の所有者の所得となります。また、契約者が構築物の設置などに「相当の」費用負担をしている場合はその限りではありません。「相当の」と言うところがポイントですね。

 

〇交通事故で受け取った損害賠償金を非課税と考え申告していない。

⇒事業の損害を補填するために受けた部分、例えば従業員の給料の補填などは非課税ではありません。

 

〇店舗併用住宅の住宅に係る経費を全て経費と処理している。

⇒店舗併用住宅はあくまで固定資産税、水道光熱費、損害保険料、借入金利子、減価償却費など全て按分処理が必要です。自宅兼事務所で業務されている場合も同様です。どの程度経費になるのかは、建物面積のうち、事業で利用している部分の面積按分が合理的です。

税務署から根拠を尋ねられたら示せるようにしておきましょう。

 

〇国外居住親族を扶養家族として申告している。

⇒国外居住親族を扶養家族とするためには送金関係書類が必要です。内容としては生活費・教育費に充てるための支払いを、支払の都度、各人に行ったことを明らかにする必要があります。海外に奥様・子供がいる場合はそれぞれに送金記録が必要となりますので注意が必要です。

 

〇税金関係で経費にならないものを経費としている。

⇒経費にならないものの例として下記のようなものがあります。

所得税、相続税、住民税(市県民税)、延滞税、加算税、罰金、科料など。

 

最後は医療費控除です。

〇眼鏡、松葉づえ、補聴器などの購入費用を医療費控除としている。

⇒上記の購入費用が医療費控除の対象となるのは医師等の診療を受ける場合に直接必要な場合のみに限られます(所得税法基本通達73-3)。

 

〇インフルエンザの予防接種を医療費控除の対象としている。

⇒治療行為ではないので通常の医療費控除は受けられません。またセルフメディケーション税制の場合ですが、一定の取り組みに要した費用自体は対象外となります。セルフメディケーション税制の対象となる支払いとは、特定一般用医薬品等の購入費用に限られます。

 

〇アトピー性皮膚炎で医師の指示により自宅で自然食品による食事療法を行っている。

⇒自然食品の購入費用は治療・療養にあたらず、また医薬品等の購入にも当たらないので対象外です。

 

それでは今回はこの辺で。