国税庁は、2014事務年度(2015年6月までの1年間)に実施した無申告者に対する実地調結果査を公表しました。
それによりますと、高額・悪質と見込まれた無申告者に対する実地調査は7,589件(前事務年度6,512件)行われました。
実地調査の結果、申告漏れ所得金額の総額は1,417億円(前事務年度1,127億円)となりました。
追徴税額は、総額で137億円(同122億円)、1件当たりでは181万円(同187万円)となりました。
2014事務年度は、実地調査全体(特別・一般)が4万9,280件行われていますので、全体の約15%が無申告者に対する調査に充てられ、実地調査全体の申告漏れ所得金額4,319億円の約33%が無申告者に対するものとなります。
1件当たりの申告漏れ所得金額は1,867万円となり、前事務年度の1,730万円から7.9%増加、実地調査全体の1件当たり申告漏れ所得金額877万円の約2.1倍となりました。
前事務年度に比べ、調査件数は16.5%増、申告漏れ所得金額の総額は25.8%増となりました。
事例では、B市でエステサロンを経営している女性経営者が、連年無申告の状態でしたが、複数の無料情報誌に広告を掲載し、実際に店舗確認したところ多数の顧客がいて活況を呈していることが想定されたことから調査を実施したケースが挙げられております。
調査の結果、A市でエステサロンを経営しており、A市を管轄するA税務署に対してはクレジットカード決済した収入を全て除外した赤字の申告書を提出していたことが判明しました。
さらに、事業継続の意思・事実がありつつ、A税務署には異動届ではなく廃業届を提出し、事業廃止を仮装していたことや、店舗移転後も多額の利益を得ていたにもかかわらず、意図的に無申告だったことが判明しました。
女性経営者に対しては、所得税7年分の申告漏れ所得金額約1億7,400万円について約5,700万円の追徴税額(加算税込み)及び消費税7年分の税額(同)約1,500万円が追徴されました。
無申告のまま放置して、税務調査がはいると無申告加算税や延滞税がかかります。
中山隆太郎税理士事務所では複数年にわたる無申告案件も多数取り扱っておりますので、気になる場合はまずはお気軽にお問い合わせください。
(注意)
上記の記載内容は、平成28年2月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。