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融資を受けるのは創業前と創業後、どちらが有利か?

Q 創業融資を受ける場合、開業後でも創業融資対象になるとの事ですが、実際のところ、開業業前と開業後では融資の判断に差はあるのでしょうか?また開業前と開業後ではどちらの方が融資を獲得しやすいでしょうか?

 

A 創業(開業)前の方が有利だと思います。

 創業の定義については説明済みですが、実際に事業をスタートした後も一定の条件のもとでは創業に該当する場合があります。例えば、日本政策金融公庫の無担保・無保証人の新創業融資の場合は、「事業開始後税務申告を2期終えていない方」も創業の対象でした。実際には創業後、自己資金だけでは計画通りに事業が進まず、途中で融資を申請しようとする方も少なくありません。

 日本政策金融公庫総合研究所公表の「500万円未満の少額開業の実態と成功のポイント」によりますと「自己資金と配偶者の・親・兄弟・親戚からの調達だけで開業した企業の割合は29.3%」だったそうです。また、同行表の「開業時の金融機関への借入申し込みの有無」によりますと、少額開業の場合ですと、53.2%の起業される方が「申し込まなかった」との事です。金融機関に申し込まなかった理由については、「自己資金で十分だったから」の割貝が最も高く、少額開業では43.5%だったそうです。

 これらの調査によりますと、意外と多くの起業家がスタート時点では自己資金のみで開業している事がわかります。しかし事業計画が思うとおりに行かず融資の申し込みに金融機関に行った場合、貸し手側の金融機関は失敗している事業に対して資金を貸せるかどうかの判断をしなくてはいけません。すでに手元資金がない状態ですので、非常に厳しいと言わざるを得ません。

 これが事業開始前なら、金融機関は基本的には事業計画のみで審査をします。事業開始前の段階の方がしっかりと事業計画を作ることもでき、自己資金も手を付ける前ですから有利と言えるでしょう。そういう視点で考えてみますと「創業前と創業後、どちらが有利か?」と言う質問に対しては、相対的に「創業前」という事になるのではないでしょうか。