自己資金の定義

Q 自己資金の定義について教えてください。創業融資において自己資金が大事だと聞きますが、金融機関は何を自己資金として判断するのでしょうか?

 

A 自己資金とは、「申込者が創業までに給料や仕事などでこつこつとためてきた預貯金で、それが通帳などで確認できるもの」と理解してください。創業融資で最も多い相談の一つがこの「自己資金」です。例えば相談者が「自己資金は300万円あります」と言ったてしても、その具体的な中身についてしっかりと確認しておく必要があります。

 実際に金融機関や保証協会との面談においても、自己資金に関して色々と質問されるケースも少なくありません。

 例えば、「今までの給料の中からコツコツ貯めてきた現金が300万円あり、それが通帳を見れば流れがわかる」と言う場合はほぼ問題ありません。しかし、同じ300万円でも「自分の現金はほとんどなく、親族から200万円借りて(見せ金)、あとは消費者ローンから100万円借りてきた」と言うようなケースもあるからです。実際に多くの方と面談してきて、ひとまず親兄弟から借りて資本金に充てたというケースはとても多いです。貸し手側としては「融資金を回収できるか」と言うところが重要なので、既に借入金があると慎重になる傾向があります。

 下記に自己資金の事例について記載しましたので、一つの参考にしてください。

 

【自己資金として認められるケース】

〇給与などから貯めてきた預貯金

〇自己保有の有価証券などを売却して作った現金

〇自己所有の資産(車など)を売却して作った現金

〇事業用としてすでに支出した設備資金相当額(「みなし自己資金」と言います)

 

【自己資金として認められない(認められにくい)ケース】

〇親族、第三者からの借りてきた資金

〇消費者ローンなどから借りてきた現金

〇現金化する前の有価証券

※親族、第三者からの資金提供は、その状況によって判断が異なるため、実際のところは下記の「状況によって判断が異なるケース」と言えるかもしれません。贈与の場合は、贈与契約書・贈与税申告の有無など、客観的に証明できれば自己資金として認められるケースがあります。

 

【状況によって判断が異なるケース】

〇タンス預金

〇現物出資

※現物出資が自己資金として認められる場合は、条件(定款・評価など)がありますので注意が必要です。