会社設立で決める9つのポイント

決めるべきことは9つ

 会社をつくるには、まず初めに「定款」を作成しなければなりません。定款とは、会社の基本的なルールを記載したルールブックのようなものです。定款をつくるにあたっては、まず次の項目を決める必要があります。

1. 会社名

2. 本店所在地

3. 会社の目的

4. 役員

5. 資本金

6. 発行可能株式総数・発行株式数

7. 事業年度

8. 譲渡制限

9. 発起人(株主・出資者)

1. 会社名(商号)

 会社名は自由に決めることが出来ます。ただし、「株式会社」と言う言葉は必ず入れなけれないけません。また同じ住所に同じ会社名の会社をつくることは禁止されています。

2. 本店所在地

 会社の住所になります。事務所を借りていない場合は、自宅の住所でも構いません。マンションやアパートの場合は部屋番号を入れても入れなくても登記は出来ますが、部屋番号を入れない場合、郵便物が届かない恐れもありますので注意が必要です。

3. 会社の目的

 会社の事業内容を決めます。注意点として許認可業を行うときです。

許認可業とは、監督官公署の許可等を得ないとビジネスが出来ない業種をさします。例えば、飲食業、建設業、中古車販売、不動産業、生命保険販売、人材派遣業、人材紹介業などがこれに当たりますが、許認可が必要なビジネスは実はかなり多いのが実情です。そして、許認可業を行う場合には、定款の目的にその許認可業を行う旨の記載が必要となります。これから始める事業が許認可業を行う場合には必ず専門家に相談してください。実際のところ、定款の目的の書き方がおかしいという理由で許認可が受けられないケースはとても多いからです。

 なお定款の目的の書き方がおかしいと許認可当局から指摘された場合、再度登記をし直さなければいけなくなり、費用的にもムダが生じます。

4. 役員

 役員とは、代表取締役、取締役、監査役と呼ばれる人たちの事です。代表取締役、取締役が合わせて3名以上になる場合は取締役会や監査役会を設置するかどうかなどの検討事項が増えます。

5. 資本金

 資本金は1円以上で構いません。時々、「資本金は使ってはいけないのでしょうか?」と聞かれることがありますが、もちろん会社の経費の支払いに使ってしまって問題ありません。

資本金は1円でも構わないですが、会社設立に20万円以上かかることを考えると、あまりに少ない資本金で会社をつくった場合、いきなり債務超過会社になってしまいます。

 

 また、飲食店などで初期費用が1,500万必要だった場合、全て自己資金で用意できれば問題ありませんが、銀行等から融資を受けることを考えている場合は注意が必要です。「創業融資については資本金の倍まで」とする金融機関も多いです。その為、初期費用が1,500万かかる場合は、最低でも資本金500万を用意し、資本金の2倍の1,000万円の融資を受けることになります。金融機関からの融資を考えている場合は、必ず税理士などの専門家に相談しながら会社設立を進めるようにしましょう。

 なお、設立時の資本金を1,000万円未満にしておくと、基本的に設立から2年間は消費税の納税が免除されます。

6. 発行可能株式総数・発行株式数

 株主が社長1名だけである場合はそれほど気にすることはなく、「資本金100万円なら1株1万円で100株発行にしよう!」で問題ありません。ただし、今後株主が増えたり、増資する場合は注意が必要です。

お勧めとしては、「株式数を6の倍数にする」と言う方法があります。

 

 また1株あたりの金額は1,000円~10,000円が良いでしょう。株式の価値と言うのは増減していきます。将来、他の人に売却したりする場合は株価をいくらにするかを検討しなければなりません。例えば、株価算定した結果、当初の株価の1.6倍になった時、1株1円だと1.6円に、また1株100万円だと160万円になってしまいます。高すぎても安すぎても株価を調整しづらくなります。

発行可能株式総数とは、この会社は何株まで株式を発行することが出来るかを規定するものです。発行可能株式総数はあまり深く考えなくても大丈夫ですが、当初発行株式数の4倍までしている会社が多いです。もちろん将来頻繁に増資する予定があれば多めに設定しても構いません。

 

7. 事業年度

 事業年度を決めるという事は、決算月を決めることになります。一般的には12月や3月が多いですが、特に決まりはございません。決算の税務申告を決算日から2か月以内に行うことを考えると、決算日+2か月が事業の繁忙期と重なる時期は避けた方が良いでしょう。

また設立日から1年以内に決算日を設定しなければなりません。設立日からすぐの時期を決算日にしてしまうと、1期目の処理が忙しくなりますので、その点も注意が必要です。

 

8. 譲渡制限

 株式は原則自由に売買出来ます。しかし、譲渡制限付きの株式にしておけば、株式は自由に売買出来なくなります。社長=株主であれば問題はありませんが、会社の役員以外の人に出資してもらう場合は注意が必要です。株主は会社の所有者です。譲渡制限を付けておけば、株式を売買する際には会社の許可を得たりしなければなりませんので、簡単に売買は出来なくなります。

 

9. 発起人(株主・出資者)

 発起人は会社設立時の株主の事です。発起人は個人の印鑑証明が必要になり、また個人実印の押印が必要となります。発起人が多いと印鑑証明の取得や各人の押印の手間がかかるので、とりあえず発起人1人だけで設立し、その後他の株主に株式を売却するなどの方法をとることも可能です。