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源泉所得税の落とし穴

おはようございます、税理士のなかやまです。

6月になりました。

日本は四季がありますが、最近は春と秋が短くなって二季化しているそうです。

二季化すると、急激な基本の変化に体がついていかず、体調を崩しやすくなるそうです。

季節の変わり目ですので、皆様もどうぞご自愛ください。

 

さて税理士事務所の業務で言えば、昨年末からの年末調整(121月)、

確定申告&12月決算(23月)、3月決算(45月)と、ようやく繁忙期が過ぎようとしています・・・。

あ、今月は上半期源泉所得税の集計月なので、今月までは忙しいですね(汗)。

 

 

今月は源泉所得税のルールのおさらいです。

皆様の役員報酬や給与から天引きする源泉所得税ですが、

原則は、「支給月の翌月10日までに納付」です。

 

会社の「〇月分」と言うのは関係ありません。

例えば、5月分⇒6月末支給(月末締め翌月末支給)でも、6/20締め⇒6/25払いでも、

役員報酬にありがちな6月分を6月末支給でも、

全て6月に支給があるので7/10が納期限となります。

 

原則は上記の様に毎月納付となりますが、常時雇用する人数が9名以下の場合は、

届出をする事によって、半年分をまとめて納付する事が可能です。

16月分は7/10712月分は翌年1/20です)

 

源泉所得税はたった一日遅れても不納付加算税がかかります。

ペナルティの率は、税務署から指摘されたら10%、自主的納付の場合は5%です。

これに延滞税がさらにかかります・・・。

 

ちなみに源泉所得税は給与だけに係るわけではなく、個人の税理士や司法書士、

社労士などに支払いがある場合も発生します。

上記のいわゆる士業への源泉所得税もまとめて納税となります。

 

該当するお客様については弊所で16月分を集計して納付書をお送りしますので、

必ず納付をお願い致します。

 

 

源泉所得税がかかるものは給与や士業への支払いだけではありません。

源泉所得税がかかるものは限定列挙されています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm

 

よくあって、納付漏れが多いのは「デザイナー源泉」です。

会社でパンフレットや名刺などのデザインを個人のデザイナーに頼むことは多いかと思いますが、

こういったものに源泉徴収が必要となります。

 

請求書はデザイナー側が発行しますが、税務に詳しくない人の場合、

源泉所得税を控除していない請求書を発行する事があります。

 

例えば、税抜きデザイン料10,000円の場合、正しい請求額は下記の様になります。

10,000円+消費税1,000-源泉所得税1,0219,979・・・請求実額

※源泉所得税は税抜額の10.21%です

 

これを11,000円で請求書が届いてそのまま支払った場合どうなるでしょう。

 

「源泉徴収する義務」は支払者=皆様にあります。

源泉徴収義務者は控除した源泉所得税を税務署に納付しなければなりません。

つまり源泉徴収漏れは皆様なので、当然加算税・延滞税も皆様が負担する事になります。

 

税務署の考え方は

「デザイナーさんに多く払ってますね。それでは超過支払い分は回収してください。」

です。

 

確かに回収できればプラスマイナスはゼロですね(ペナルティーは除く)。

ですが実際には期間が経っていたり、単発だったりでなかなか回収できないと思います。

 

またこのデザイナーなどの報酬源泉の納付は、半年ごとの特例が使えず、

支払い月の翌月に納付が必要となります。

 

弊所でも記帳やデータのチェックをしていますが、

給与の様に毎月発生するわけでもありませんので、気づくのはほぼ期限後になります(汗)。

(月末に資料をまとめて翌月に記帳・チェックするわけですから、納期限までに間に合うわけがないです)

 

いつ発生するかもわかりませんので、こういった支払いが発生する時は

会社で納付をお願い致します。

(納付書は税務署へ取りに行くことになります・・・)

 

たった一日で10%の加算税は痛すぎますからね!

皆様気を付けてくださいね。

 

それでは今回はこのへんで。

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