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新しく社員を採用した時の注意点

おはようございます、税理士のなかやまです。

今年は早々に春の訪れを感じる気候が続いていますね!

このメルマガが配信される頃にはお花見シーズンも終わっているのではないでしょうか。

 

さて春と言えば、新しく社員が入る時期でもあります。

今回は新しく社員を採用した場合の手続きをおさらいしてみましょう。

(今回の手続きは役員ではなく、一般社員編です)

 

社員を採用した場合、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金の

4つの加入・手続きなどが必要となります。

いわゆる社会保険ですね。

 

労災保険と雇用保険は毎年7月に年度(4月~翌年3月)の保険料の概算払いを行い、

翌年7月に正しい保険料を計算して差額を納付(還付)とまた次年度の概算払いを同時に行います。

 

例えば、令和4年度の概算払いの時に労災保険・雇用保険を10万支払ったとします(概算払い)。

途中で新しく社員が入って、令和4年度の確定額が12万になった場合、

次年度に、令和4年度の不足分2万円と令和5年度の概算分12万の合計14万を支払います。

※労災・雇用保険は前年度と人員の変更がない、と言う前提で概算払いを行います。

 

社会保険の中で、従業員の給与に直接関係するものは雇用保険、健康保険、厚生年金のみです。

雇用保険は加入月から天引きしますが、健康保険・厚生年金は通常加入月の翌月から天引きします。

ちなみに社会保険料額は、給与+交通費がベースになります。

加入の際に各種届出を出しますが、交通費が漏れていないかご確認ください。

 

なお定期代などの実費の交通費は社会保険料の算定には含まれますが、

所得税の方では非課税になりますが、「交通費手当1万円」と言うような、

実費でない場合(手当の一種)である場合は、所得税も課税となります。

 

また給与から引かれる源泉所得税は、上記社会保険料を控除した後の金額がベースになるので、

入社1か月目と2か月目では控除対象のベースが変わってくるのでご注意ください。

 

「手取り〇〇円になるようにはいくら支払えばよい?」と言うご質問を受けますが、

これをピッタリ計算するのはほぼ不可能です。

と言うのは、雇用保険、健康保険は毎年4月支給の給与で保険料率が変動します。

(変動しない年もあります)

また、住民税は原則、入社した翌年6月から徴収が始まります。

よって手取りを一定額にするためには、その都度給与総額の額面も見直さなければならず、

給与総額が上がれば、場合によっては社会保険の「月額変更届」を出さなければならない・・・

と言う堂々巡りになる可能性もあります。

 

その為、手取り額にから逆算する場合は概ねこの程度、と言ったくらいで考えるのが良いでしょう。

 

それでは今回はこの辺で。

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