経営環境の変化を見て目標管理の課題を発見しようとしている企業では、適切な時期と方法を選ぶことが必要です。
◆経営環境と目標連鎖の関係
経営環境と目標の連鎖は、「経営環境の変化(外部環境、内部環境の変化)」→「中期経営計画・目標」→「年度経営計画・目標」→「部署目標~個人目標」の関係にあり、年度経営計画を達成するための部署目標・個人目標設定の段階で、経営環境の変化を評価し、目標管理の課題発見・目標設定に生かそうとするのでは、タイミングが遅すぎます。
◆経営環境変化情報の活かし方
2~3年間の経営に大きな影響を与える中期経営計画は、その期間で外部環境や内部環境の変化にうまく対応することによって事業を発展させ、業績の向上を図ることをねらいとするもので、
①市場・顧客・技術・法令等、外部環境の変化に関する情報収集
②自社商品の売上高と利益・人材・設備・保有技術・財務状況等、内部環境の変化に関する情報収集
③外部環境・内部環境変化の諸情報を整理、評価して、自社の経営にとって価値が高い環境変化を発見、中期経営計画の課題・中期目標設定、年度経営計画の策定・年度目標設定、の手順で経営環境情報を活用しなければなりません。
その場合、最も重視すべき点は情報の価値判断であり、多くの情報に惑わされて混乱しないように気をつけることです。
具体的にはSWOT分析・クロスSWOT分析を用いて、「自社にとっての強みと機会」を突き詰めて評価し、「強みをより強化する課題形成」と「その強みを活かす機会を発掘する課題形成」を行い、「中期目標設定」につなげることが最重要です。
このアプローチは年度経営計画で、最新の経営環境情報から再評価、検証を行い、目標管理につなげます。
◆経営者・管理者の留意点
日常市場や現場で生の情報に接している多くの社員に参加してもらい、その知見を活かして情報収集と1次評価をおこない、経営者・管理者が最終判断することで、目標設定精度が高まります。