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買い物弱者の増加とその対策

 「買い物弱者」と言う言葉を知っていますか?

 買い物弱者とは、流通機能や交通網の弱体化とともに食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々をいいます。

買い物弱者の数は高齢者が多く暮らす過疎地や高度成長期に建てられた大規模団地等を中心に増加傾向にあり、経済産業省では、その数を700万人程度と推計しています。

 

 経済産業省が公表している「買い物弱者応援マニュアル」によると、買い物弱者問題への対策として、①家まで商品を届ける、②近くにお店をつくる、③家から出かけやすくする、などといった取組みが例示されています。

 まず、「①家まで商品を届ける」についてですが、その方法としては、買い物弱者に商品を直接届ける「宅配」や、買い物弱者に代わって買い物を行う「買い物代行」、食事を宅配する「配食」などの取組みがあげられます。

 次に、「②近くにお店をつくる」についてですが、その方法としては、買い物弱者が居住する地域に、トラックなどを活用して販売を行う「移動販売」や、かつて商店などが撤退した場所に買い物する場を設ける「買物場の開設」などの取組みがあげられます。

 さらに「③家から出かけやすくする」についてですが、その方法としては、乗り合いジャンボタクシーを運行させるなどの「移動手段の提供」などの取組みがあげられます。

 また、買い物弱者問題の対策としては、会食交流会などを実施するなどといったコミュニティの形成や、物流の改善・効率化などの取組みも含まれます。

 このように、買い物弱者問題の対策は、宅配や移動販売などにとどまらず、多岐に亘っているのです。

 

 買い物弱者問題の解決策には、経済産業省が公表している「買い物弱者応援マニュアル」が参考になります。

マニュアルでは、事業の立ち上げ時には、買い物弱者マップを作成したり、アンケートやヒアリングを実施したりすることを通して、買い物弱者がどのようなニーズを抱えているのかを把握することが重要となると示されています。

事業に必要なものを一から全てそろえようとすると資金負担が重くなることから、地域資源や自社資源の棚卸しをすることで、できる限り今ある資源を活用することもポイントとなります。

事業計画の策定にあたっては、事業を継続するうえで、事業計画上無理がないことや、地域住民や行政、既存事業者との理解を確保することが必要となります。

さらに、事業者のみで負担を追うのではなく、地域を巻き込み、行政や住民と連携して対処していくことが重要となります。

 次に、事業をどのように継続させるかについてみていくと、まず、事業者にとっては、自社のリソースの利用によって採算性・事業性を確保することが求められます。

次に行政にとっては、公共工事の発注を行ったり、規制緩和を推進したりするなどの取組みが求められます。

最後に住民にとっては、ボランティアとしての参加を促すことで人件費を削減したり、住民自身が「買い支え」や「乗り支え」の意識をもったりすることが求められます。

 このように買い物弱者の増加等の問題を解決するためには、事業者や行政等の地域の主体が連携して事業を実施することが重要となるのです。

参考:(株)税務研究会 税研情報センター

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