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令和6年・定額減税総集編

おはようございます。
税理士のなかやまです。

12月になりました。
間もなく税制改正大綱が発表となりますが、今年は所得税の壁の他、
社会保険料の壁もあり色々変化が大きそうですね。。。

さて弊所では現在年末調整の真っ最中です。
定額減税処理のため、例年より処理時間がかかりますのでまだ弊所に提出していない場合は
お早めに提出ご協力宜しくお願い致します。

さて定額減税のおさらいですが、原則、令和6年の所得税から3万円、住民税から1万円の
合計4万円が減税されます。

対象者は所得1,805万円以下の方ですので、給与収入の場合2,000万円超の方は受けられません。
また扶養親族になっている方(被扶養者)は扶養者側で定額減税が行われるので、
本人の手続きは特にありません。
(例えば年収103万以下の配偶者や子供などが該当します)

ちなみに世帯主などで誰かの扶養になっているわけではないけれど、
税金がかからない方はお住まいの自治体から「調整給付金」の案内が届いており
そちらで給付の手続きを受けることになります。

ちなみに調整給付金の対象になるかどうかは各役所が前年(令和5年)の収入を基に判定します。

さて今回の定額減税ですが、通常は税務上の扶養にならない年少扶養親族、
いわゆる16歳未満の子供も減税の対象になります。
例えば小学生の子供がいる場合、例年は税務上の扶養家族に含まれません。
しかし令和6年の定額減税の扶養には含まれます。

例)令和5年の年間の所得税10万円、扶養家族3人(専業主婦、小学生の子供2人)の場合
令和5年の所得税ですが、本人の基礎控除+配偶者控除のみで計算します。
その結果、所得税が10万円。
令和6年の所得税ですが、本人の基礎控除+配偶者控除までは同じで、
ここから本人+扶養家族3人分の合計12万の減税があります(所得税のみ3万×4で計算)
つまり所得税額は10万-定額減税12万=△2万となります。
給与所得の場合、年間の所得税は0円となり、
超過した2万円は役所から調整給付が行われます。

ちなみにこの調整給付は端数切り上げの1万円単位で行われます。
扶養家族無しの場合を例に挙げます。
サラリーマンAさんの所得税が年間で11,000円だった場合、
まず給与天引きの17,000円は全額減税されて0円になります。
所得税の定額減税は30,000円で給与から17,000円減税されているので
残額は13,000円ですが、切り上げなので調整給付は20,000円となります。
(よって合計37,000円の減税になります)


前年と大きく収入が変化していない場合は、調整給付は既に案内が来ているはずですが、
そうでない場合は令和6年の収入が確定してから改めて役所から案内が来るようです。

6月からの給与で定額減税をしている方でも、
住宅ローン控除などでそもそも所得税がゼロになる方は、
住宅ローン控除等の各種所得控除が先に控除されます。

例えば、扶養ゼロ(=定額減税額3万円)・月1万円の所得税の方は、
1~5月までは毎月1万円の所得税が給与から天引きとなりますが、
6~8月までは定額減税で所得税はゼロとなります。
9~12月は再び月1万円の控除があります。

年間で天引きされた所得税は合計1~5月分と9~12月分の合計9万円です。
もしこの人が住宅ローン控除12万受けられる場合、
本来の所得税1万/月×12か月=12万円から定額減税の前に
先にローン控除12万円が適用され定額減税の適用はゼロとなります。

結果、控除されなかったことになる定額減税は、後日の調整給付金として支給されることになります。


定額減税はあくまで令和6年で完結しますので、
控除しきれない場合でも令和7年の所得税から継続して引かないようにご注意ください。

ちなみに個人事業主の方は確定申告での処理となります。

それでは今回はこのへんで。

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