おはようございます、税理士のなかやまです。
まだまだ暑い日が続いていますが、日が落ちるのはだいぶ早くなってきましたね。
今年も残すところ3か月となり、来月は弊所でも年末調整のご案内をする時期になります。
先月、河野太郎デジタル大臣が「全国民が確定申告を!」と言う発言をされたのは
記憶に新しい事かと思います。
結局、総裁にはなりませんでしたので全国民が確定申告をする事は無くなったようですね。
河野大臣はマイナンバーの普及にも尽力していますので、目指すところはわかります。
それでは税理士事務所目線で年末調整がなくなった世界を想像してみたいと思います(汗)。
年末調整を無くすと一言で言いますが、毎月の給与や賞与から天引きする
源泉所得税は無くならないと思います。
つまり会社が行う毎月の源泉徴収事務は変わらないです。
確定申告をするためには源泉徴収票が必要になりますので、
税理士事務所としてはこの業務もなくなりません。
マイナポータルで源泉徴収票が連携されるようなので、
紙の源泉徴収票は無くなるのかもしれませんが、
そのデータを作成・送信するのは税理士事務所ですので・・・。
そうなると無くなる業務って保険料控除や住宅ローン控除、
扶養家族の正確な把握くらいですかね。
医療費控除などはもともと年末調整では控除できませんし。
今となっては知る由もありませんが、言えることは一つ、
ほとんど楽にならない!(by税理士業界一同)
本当に年末調整をなくすのなら、個人事業主の様に源泉所得税をそもそも引かないとか
一律〇%にするとかしないと手間は変わらないです。
あと源泉徴収票そのものを発行せずに、各自給与明細を保管・集計してもらうとか。
個人事業主の場合は請求書を1年分集計するわけですから、
給与明細を集計するのと大差ありません。
あとはちゃんと保管できるかどうかですね(汗)。
昨今は確定申告もe-TAXで簡単になったと言いますが、
それでも全国民はぜ~~~~~~~ったいに無理です。
無申告の人が爆増しますよ。
国はそもそもですが性善説で考えているように思えます。
確定申告しろと言われて全員すると思ったら大間違いです(汗)。
現状では年末調整がそれほど楽にはならず、確定申告業務が爆増しそうな感じがします。
東欧のバルト三国の1つエストニアには税理士・会計士がいません。
税金の計算をしないんです。
それは国家が預金残高を含め、国民の全所得を把握しているので、
国側で納税額を算出できるそうです。
日本もマイナンバーがもっと普及して、預金口座を含めた金融情報と紐づいたり、
現金ではなく電子決済が普及すればそういったことは出来るかもしれませんが、
この辺りはまだまだ進んでないです。
でも保険証や免許証がマイナカードと一体化していくなど、
今後はどんどんデジタル化・一元化になっていって、我々の業務も変化していくのかもしれませんね。
それでは今回はこのへんで。