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今日から18歳が大人です!成年年齢引き下げが影響する税金とは?

おはようございます、税理士のなかやまです。

 

すっかり春めいてきたこの頃ですが、

本日令和441日から成年年齢が引き下げられ、18歳より「大人」となります。

これにより色々と出来ることが変わってきますが、今回は成年年齢が引き下げられたことにより、

税務の面でどのような影響があるのかを見ていきたいと思います。

 

影響があるのは主に贈与税や相続税の資産税になります。

詳細に説明すると長くなるので概略を説明します。

 

〇住宅取得資金贈与

自分の両親、祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合に、500万円まで非課税でとなります。

※耐震・省エネ住宅の場合は1,000万円まで非課税

 

従来は贈与を受けた年の11日現在で20歳以上である事が要件でしたが、

これが18歳以上である事に引き下げられました。

 

もともとこの「住宅取得資金贈与の特例」は令和312月末まででしたが、

2年延長され、令和512月までとなっております。

贈与を受ける側(子供)の所得が2,000万円以下と言う要件もありますが、

18歳でその収入がある人もほぼいないと思います。

 

親が子供の家を建てるのに資金援助をする事もあるかと思いますが、

不動産を取得すると、結構な確率で税務署から「お尋ね」と言う書類が来ます。

内容は「あなたが取得した不動産の資金の出どころについて」です。

 

例えば、18歳のお子さんが3,000万円の家を購入したとします。

不動産の登記情報は税務署に筒抜けなので、税務署から上記のお尋ねが来ます。

お尋ねの内容は、不動産の購入資金が、ローンなのか、預貯金なのか、

贈与なのか等を尋ねるものですが、18歳の子供がローンも組まずに

数千万の不動産を購入したら不自然ですよね。

もちろん親などから贈与を受けていて、きちんと贈与税の申告をしている

のであれば何も問題ないですが、そういう事を知らずに親から贈与を受けた資金で

不動産の購入だけをしたケースに、私自身何度も遭遇しています。

 

よくあるケースで資金は全額親が支出、名義はなぜか子供と半々とか。

大体弊所に相談頂くときには既に登記まで済んでしまっているとか事後なのですが、

そこまで済んでしまっていると、どうしようもありません。

良かれと思ってやったことが、莫大な贈与税がかかるリスクがありますので、重々ご注意ください。

※日本で、金額に対して1番高い税率は贈与税です。

 

 

〇相続時精算課税

住宅取得資金はその名の通り住宅取得資金だけが対象ですが、

その他の財産も対象となる「相続時精算課税」も対象年齢が18歳以上と引き下げになります。

 

相続時精算課税は子や孫への贈与について2,500万円まで非課税で財産を移せる制度です。

2,500万の範囲であれば、現金・預金、不動産、有価証券何でもアリです。

 

注意点としては、相続が起きた際には相続時精算課税で移した財産を、

一旦贈与者(両親・祖父母)の財産として計算しなければならないという点です。

 

贈与したのに決局戻さなければならないのであれば意味がないのでは?

と思われるかもしれませんが、相続時精算課税の使いどころは下記の様なケースがあります。

 

1 そもそも相続税がかからないケース(基礎控除の範囲内の財産しかないケース)

相続が起きた際に相続財産の計算上、財産を戻さないといけないと説明しましたが、

戻しても相続税がかからない場合は全く問題ありません。

注意点としては、申告要件がある各種特例を使わなくても

基礎控除以下である必要があります。

 

2 将来価値が上がる(と思われる)不動産や株を持っている場合

 例えば、親が時価2,500万円の賃貸不動産を所有していたとします。

 これを子供に相続時精算課税を使って贈与した場合、贈与税はゼロです。

(特例なので贈与税の申告は必要です)

 そして、将来この不動産が値上がりして5,000万円になったとします。

 もし親がそのまま所有していた場合は、相続財産は5,000万の評価となりますが、

 相続時精算課税ですでに贈与している場合は、持ち戻す価額は2,500万円となります。

 

 賃貸不動産の場合、早めに贈与することにより、そこから生み出される賃料も

 子供へ移すことが出来るので、大きな節税効果が見込めますね。

 

1点注意点として、相続時精算課税を使う場合は、その後年間110万円までの

非課税枠は使えなくなりますので、ご注意ください。

(相続時精算課税の取りやめも出来ません)

 

今回は成年年齢引き下げにかかる2つの内容をご説明しました。

それでは今回はこのへんで。

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